今回は【昇進昇格制度】の設計方法です。
昇進昇格制度とは具体的には
どうしたらグレード(等級等社内での資格、職位)を
上がっていけるのかという『昇進昇格基準』が中心になります。
まず、グレードを第9回でお伝えしたように
M2 部長クラス
M1 課長クラス
L2 係長クラス
L1 主任クラス
S3 中堅社員クラス
S2 一般社員クラス
S1 新入社員クラス
(Sはスタッフ Lはリーダー Mはマネージャーの略)
このS1、S2・・・を人事評価制度上の資格とします。
という設定をしたとして話しを進めていきます。
『昇格基準』とははS1→S2、S2→S3・・・・
というように資格を上げていくためにはどうしたら良いかを具体的に定めます。
また、『昇進基準』は役職を上げていくための基準です。
今回はこのうち『昇格基準』について主にお話します。
役職に関してはこの資格と連動させたり、
させなかったりと会社の事情によって異なりますので『昇進』についてはまた別の機会にお話します。
では、『昇格基準』はどのように定めていったらよいのでしょう?
人事評価制度上はやはり、評価結果が中心となります。
他には次のような基準を設ける場合があります。
■昇格の判断基準例
(1)評価結果・・・・・・評価基準による評価結果を反映
(2)自己啓発・・・・・・通信教育や仕事に役立つ資格等をポイント制にしてある一定
の基準をグレードごとに設定する
(3)能力条件・・・・・・会社や部門で必要能力があればそのクリアーを条件とする
(4)昇格試験・・・・・・試験の合格点数基準を設ける
(5)取締役会判断・・取締役会にて昇格か否かを判断する
(6)推薦制度・・・・・・所属長等の推薦を判断基準とする
この中で、例えば初めて人事評価制度を導入する会社が設けるのは
(1)のみおよび(1)と(5)の併用というパターンがほとんどです。
まず、自社にはどれが相応しいのか判断できない場合は(1)のみを作成してみてください。
では、評価結果をどう昇格に反映していったら良いのか?!
具体的には複数評価期間の評価結果で昇格を決定していきます。
例えば、「直近2回の評価結果が(A,A)以上であった場合S1→S2へ昇格する」という具合です。
これを各グレードに設定します。
この『昇格基準』を全グレードに設定すると、
全社員が何年後にどのグレードに行けて給与はいくらぐらいになるのか具体的に解るようになります。
このことで社員一人ひとりの将来の目標が明確になり、モチベーションへとつなげていけるのです。
また、通常は同時に『降格基準』も設けていきます。
「同じく(D、D)以下であればS2→S1へ降格する」という基準です。
もちろん、降格させるのが目的ではありませんが
これがないとぶら下がり社員がいる場合そのまま居座ってしまう場合も考えられます。
導入当初はこの(1)の評価結果を反映さえる昇格基準さえあれば十分です。
なぜなら、評価で育成を図っていくのが人事評価制度の目的だからです。
また、あまり最初から複雑すぎると社員側が理解できない場合もあります。
せめて(5)を併用するくらいにとどめておいて下さい。

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給与制度 vol.3
さて、今回は【本給】と【仕事給】を現在の社員にどのように当てはめて行くかということをお話します。
給与設計段階ではこの部分が一番難しいところです。
また、移行時点の考え方ですが、新給与体系へ移行と同時に給与を上げ下げするということは避けた方がよいでしょう。
通常、各社員従来と全く変わらない金額で移行するか、昇給時期と重なっていれば昇給分を上乗せして移行するという手法を取ります。
弊社が過去お手伝いした会社でも移行時点で給与を下げたところは1社もありません。
では、具体的な給与の移行方法をお話します。
<1>まず、全社員のグレード(グレードについては評価基準づくりvol.3でお話しました)を
決めます。
<2>次に現行給与項目のうち、評価の対象となる給与項目を決めます。
例)基本給+資格手当+職能給 等
<3>【本給】:【仕事給】の比率を決めます。
例)【本給】:【仕事給】=6:4 【本給】:【仕事給】=5:5 等
これによって成果部分の給与が基本給の何割程度を占めるのかを社員
対しても明確にします。ちなみに、今多いのは5:5のパターンです。すな
わち年功的給与と成果的給与の比率が半々ですよ、というパターンです
ね。当然、0:10というパターンも選択肢にあります。
ここでは、5:5のパターンを選択したとしましょう。
<4>社員全員の<2>で決めた対象となる給与項目の合計額に50%を
掛けた金額を算出します。
<5><4>で算出した金額をもとに、仕事給のテーブル(給与の金額表)をグレードごとに作成します。
<6>全員に該当グレードの『B』(評価段階の中心)を当てはめ仕事給額を
決定します。
<7>各人ごとに<2>の合計額から<6>で決めた仕事給額を引いた金額
を【本給】とします。
※役職手当を別途設定する場合もありますが、このパターンは設定しなかった
場合です。
以上が給与の設計手順です。多分、この説明を読んだだけでは解りにくい部分もあると思いますので、
実際の社員さんに当てはめてシミュレーションしてみてください。
また、疑問点があればいつでもお気軽にお問い合わせください。
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給与制度 vol.2
前回のお話で人事評価制度は給与に格差をつけることが目的ではないということは十分お分かりいただけたかと思います。
それでは、具体的な給与制度の設計手法の話に今日から入っていきたいと思います。
今日公開する給与の設計手法ですが、
私がお手伝いした中で最も一般的なパターンのお話をします。
もちろん、方法はこれ一つではありません。
という前提でお読み下さいね。
また、人事コンサルタントのなかでは
脈々と給与の仕組みの必要性を説く方がいらっしゃいますが、
既に『必要』と思っていらっしゃる方へその設計手法をダイレクトに書いていきます。
まず、給与の支給項目
(1)本給
(2)仕事給
この2本立てで基本給を構成します。
次に支給項目それぞれの性格ですが、
(1)本給 基本的には下がらない(降格時は下がる)
年1回定期昇給をする
積み上げ式である
評価結果で昇給額に差をつける
(2)仕事給 金額が上下する
評価期間ごとに見直し
洗い替え方式である
当然評価結果を反映する
具体的にそれぞれのテーブルはこんな感じです。
【本給テーブル】
〔評価基準づくりvol.3で設定したグレード(等級)に応じて〕
S1グレード S→4,000円 A→3,000円 B→2,000円
C→1,000円 D→0円
S2グレード ・・・・・・・
本給はあくまでも昇給のみのテーブルです。
【仕事給テーブル】
S1グレード S→100,000円 A→98,000円 B→96,000円
C→94,000円 D→92,000円
S2グレード ・・・・・・・
仕事給はもらえる金額のテーブルです。
本給は全グレード同額で導入する場合もあります。
仕事給は上位グレード(等級)に行くほど、
金額、差額とも大きくなるように設計します。
仕事給金額設定の目安は現在の社員の基本給の例えば50%の金額を基準にして決めていきます。
まずはここまで設計してみてください。
金額が合わなければまた修正していけばよいので最低仕事給のグレード、
評価結果ごとの金額テーブルを設計してみてください。
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給与制度vol.1
前回まで評価基準のお話をしてきました。
今回から給与制度の作成方法についてお話をするわけですが、
給与の内容に入る前にもう一度確認しておきたいことがあります。
それは、くどいようですが、人事評価制度の目的は給与で格差をつけることではないということです。
人事評価制度の目的は教育です。
社員の育成です。
それは給与の上げ下げでは実現できません。
評価を通じて実現します。
ある会社の社員 「Kさん」 の生の声です。
「私は給与が上がったとか下がったとかはほとんど気になりません。今回一番
くやしかったのは評価結果が【D】評価だったということです。評価が標準の【B】
評価未満ということは私の行った仕事が認められていないということでしょう。」
どうですか?これが代表的な『社員の気持ち』なのです。
特にこの会社では第1回目の評価と言うことで評価結果は給与には反映しない。
つまり「Kさん」は【D】評価であったにもかかわらず給与は下げなかったわけです。
しかし、良かれと思ってしたことがよけい「Kさん」のプライドを傷つけました。
「今回は給与は保留なんてしてもらうよりも、思い切って下げてもらった方がすっ
きりします。成果主義を導入して評価が悪かったのに下がらないなんて情けを
かけてもらっているみたいでよけい嫌ですね。」
この会社では社長の温情が裏目に出てしまったわけです。
このようなことはどこの会社でも起こり得ることです。
やはり人事評価制度をある程度成果主義的な体系へ変えていくからには
覚悟して導入をしていただかなければなりません。
しかし、よ~く考えてみてください。
一般的にいままで評価を経験していなかったところに人事評価制度を導入すると、
評価基準は理想のレベルを求めたものとなってしまうため最初は必ず評価結果は低い方が多くなります。
また、社員の育成が評価の目的とするなら最初から【S】とか【A】の高い評価
結果ばかりだと評価された社員はどう感じると思いますか?]
そう、「自分は十分評価されている。=自分の仕事振りは十分なんだ」と判断し
てそれ以上の努力をしない人も出てきてしまいます。こうなってしまうと当初の
目的の育成に結びつくわけはありません。
「いやいや、社員のモチベーションを上げるためにも最初の評価結果は高め
(甘め)にすべきだろう」というご意見の方もあるでしょう。
そう、どちらがよいか正解はないのです。会社の体質によっても変わってくるし、
社長の考え方によっても各社違った考え方があってよいのです。
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